総合内科
当院は地域の動物病院として全般的な内科診療を行っております。
内科とは諸臓器に対して手術によらない方法で治療を行っていく分野です。
獣医領域では、患者である動物自身が症状を訴えることがないため、専門内科ではなく総合内科として体調不良の原因がどの臓器によるものなのか見極め、適切な検査、治療を行っていきます。
必要に応じて
- 血液検査
- 尿検査
- 便検査
- 超音波検査
- レントゲン検査
などの検査を実施します。
消化器疾患
- 元気がない
- 食欲がない
- 下痢
- 便秘
- 嘔吐
上記のような症状がある場合は、消化器疾患が疑われます。 消化器疾患と言っても様々あり、急性胃腸炎、大腸炎、便秘、下痢、膵炎、膵外分泌機能不全、小腸 吸収不良などがあります。
いつから症状が出ているか、どのような症状が出ているかと言った飼い主様からの情報と、各種検査によって診断をし、適切な治療を行っていきます。
皮膚疾患
- 耳が臭い
- 皮膚が赤い
- 痒がる
- 毛が抜ける
- 皮膚にできものがある
上記のような症状がある場合は、皮膚疾患が疑われます。
皮膚疾患は大きく分けると、感染性皮膚疾患、アレルギー性皮膚疾患、内分泌及び代謝性皮膚疾患の3つがあります。
<感染性皮膚疾患>
膿皮症、皮膚糸状菌症、マラセチア感染症 など
<アレルギー性皮膚疾患>
食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、ノミ刺咬性アレルギー性皮膚炎 など
<内分泌及び代謝性皮膚疾患>
甲状腺機能低下症、副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)、脱毛症X(アロペシアX) など
皮膚疾患は命に関わる病気ではありませんが、ツライ痒みや痛みなどを引き起こし、生活の質を大幅に下げてしまう厄介な病気です。
適切な治療をすることで、皮膚疾患の改善や軽減を行うことができます。
循環器疾患
- 呼吸が苦しそう
- 咳が出る
- 疲れやすくなった
- 舌の色が紫色になる
上記のような症状がある場合は、循環器疾患が疑われます。
動物の高齢化に伴い、循環器疾患を患う子が増えてきています。
僧帽弁閉鎖不全症、拡張型心筋症、不整脈、血栓塞栓症、心タンポナーデ、フィラリア症などの循環器疾患は命に関わる病気です。
心臓病は徐々に進行していく為、早期発見・早期治療が非常に重要です。
症状が出た頃には病気が進行していますので、定期的に健康診断を行うことをオススメします。
歯科疾患
- 口が臭い
- 歯石が付いている
- 口を痛がる
- 口から血が出ている
- 口の中にできものがある
上記のような症状がある場合は、歯科疾患が疑われます。
3歳以上の犬猫の80%が歯周病という話もあるくらい、動物の歯科疾患は実は多いです。
それは人のように定期的に歯磨きをしないことが大きな理由です。
定期的な歯みがき、デンタルガムの活用などをしていただけると、歯石や歯周病などの予防をすることができます。
たかが歯石と思われがちですが、悪化すると顔に穴が開く、顎の骨が溶ける、歯周病菌によって心臓病を悪化させることもあります。
当院ではデンタルケアの指導も行っていますので、お気軽にご相談ください。
泌尿器疾患
- 頻尿
- 血尿
- 尿が出ずらい
- 水をたくさん飲む
上記のような症状がある場合は、泌尿器疾患が疑われます。
泌尿器とは腎臓・尿管・尿道・膀胱など多岐にわたります。
泌尿器疾患の代表例として膀胱炎、尿石症、慢性腎臓病などがあります。
<膀胱炎>
膀胱に炎症が起こり、尿を貯める、排泄する機能に支障が出ます。
ワンちゃんは細菌性膀胱炎が多く、ネコちゃんは原因不明の特発性膀胱炎が多いです。
<尿石症>
腎臓・尿管・膀胱・尿道などに結石ができる病気です。
溶けるタイプの結石は療法食や内服薬で治療をし、溶けない結石は外科手術によって除去します。
<慢性腎臓病>
最初のうちは症状が出ず、症状が出る頃には病気が進行していることが多いです。
腎臓は体の中の老廃物や毒素を尿の中に排出する機能があるのですが、腎臓病が悪化して十分に機能しなくなると、老廃物や毒素が体内に蓄積して尿毒症という危険な状態に陥ります。
早期発見・早期治療をするために、定期的に尿検査や血液検査をすることをオススメします。
眼科疾患
- 目ヤニ
- 目が赤い
- 目が白く濁っている
- 目に傷がある
上記のような症状がある場合は、眼科疾患が疑われます。
目の異常は突然起こることが多いです。
様子をみていると急激に悪化したり、掻いてしまうことで患部がこすれて、症状を重くしてしまうこともあります。
異常があった場合は、早めに病院に受診することをオススメします。
結膜炎、角膜炎、白内障、緑内障、網膜剥離といった病気があります。
眼科疾患は点眼治療をしていただくことが多いため、ペットとのスキンシップが図れていることが非常に重要です。
白内障など特殊な手術が必要な場合は、専門の医療機関をご紹介します。
ウイルス性・細菌性感染症
- 元気がない
- 食欲がない
- くしゃみ
- 鼻水
- 目ヤニ
上記のような症状がある場合は、ウイルス性・細菌性感染症が疑われます。
基本的には混合ワクチンを接種することで、発症の防止をすることができる、または発症した場合も症状が軽度で済むことが多いです。
感染症の中には重篤化しやすいものや、命に関わる怖い病気もありますので、年に1回の混合ワクチン接種でしっかりと予防していきましょう。
感染してしまった場合は、抗生物質の投与や、症状に応じた対症療法を行っていきます。
一般外科
一般外科とは、おもに腹部・消化器を中心に、外傷、体表の化膿性疾患、乳腺、肛門などの疾患を対 象とした外科学の一つで、獣医領域では去勢や避妊手術も含まれます。
外科治療を実施する際には、
- 外科が適応な疾患かどうか
- 麻酔のメリット・デメリット
- 外科で治癒できる可能性はどの程度か
など、様々な要因を考慮した上で飼い主様と相談して判断していきます。
手術実績
<軟部外科>
- 去勢手術
- 避妊手術
- 帝王切開
- 卵巣、蓄膿子宮摘出術
- 精巣摘出術
- 胃切開術料
- 盲腸切除術
- 腸切除術術
- 胆嚢摘出術
- 脾臓摘出術
- 腎臓摘出術
- 膀胱/前立腺/尿道全摘出術
- 会陰部尿道瘻造設術
- 尿管包皮移行術
- 尿菅腹壁移行術
- 横隔膜ヘルニア整復術
- 臍ヘルニア整復術
- 会陰ヘルニア整復術
- 肛門周囲瘻整復術
など
<軟部外科>
- 乳腺腫瘍摘出術
- 体表腫瘍摘出術
- 腫瘤摘出術
- 口腔内腫瘍摘出術
- 舌腫瘍摘出術
など
<眼科外科>
- 眼球摘出術
- チェリーアイ整復術
- 眼腺腫摘出術
など
<口腔外科>
- 歯石除去
- 臼歯抜歯
- 犬歯抜歯
- 残存乳歯除去
- 下顎骨片側全切除
など
整形外科はこちら
手術の流れ
1.外科手術が適応かの判断
外科手術は治療法の一つに過ぎません。
今抱えている疾患が外科適応なのか、内科でも対処可能なのかを判断します。
そして、内科と外科のどちらがより治療効果が高いか、どちらがよりリスクが少ないかなどを、病気の進行度合いや動物さんの状態などを考慮して選択します。
2. 全身状態の把握、麻酔リスク回避
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外科手術を行う際に、必要となるのが麻酔です。
特に獣医療では全身麻酔が必要なことが多く、実施には少なからずリスクを伴います。そのリスクを可能な限り回避する為に、全身麻酔を行う前には必ず検査を実施し、健康状態や病状の把握に努めます。
3.手術
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安全で迅速な外科手術をするために、獣医師と動物看護師がチームを組んで対応しています。
動物さんも人と同じで痛みを感じます。
苦痛の軽減のため、積極的に疼痛管理(=痛みのコントロール)を行っています。
また、電気メス、血管シーリングシステムなどの導入により安全で確実かつスピーディーな手術 が可能です。避妊・去勢手術では術後の速やかな回復のため「極力小さい切開」を実施しています。
4.術後管理
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外科手術を受けた動物さんが速やかに回復に向かうには、適切な栄養管理と疼痛管理が必要 です。
そ手術内容や動物さんの状態によっては、栄養チューブによる栄養管理を行うこともあります。 また痛みの程度に合わせて、鎮痛薬を用いて疼痛コントロールを実施しています。